中国で究極の日本食「卵かけご飯」
「たまごかけご飯」、とってもシンプルなのに、どうしてこんなに美味しいのでしょうか?
小さいころ、好き嫌いが多かった私の数少ない好物が、この「たまごかけご飯」でした。なぜかこの言葉の響きに親しみというか郷愁さえ感じます。
ところが、中国に駐在していた初期のころ、この好物を食べられない日々が続いたのでした。禁断症状が出そうになったほどです。たまの一時帰国で食べる自宅でのたまごかけご飯の美味いことと言ったら、言葉であらわしようがありません。
中国では、卵を生では食べません。別に法律で決められているわけではなく、身体に悪いからという理由です。今でも生で食べる中国人は少数派です。
なぜ中国人は生卵を食べないのか中国人に聞くと、熱を入れて殺菌する必要があるからだと答えてくれました。実はそれだけではなく、生卵に慣れてないこともあります。そのドロッとした見た目と、ヌルッとした触感が、すごく気持ち悪いらしいです。こんなものを食べる人の気が知れないとも言っていました。一度、目の前でたまごかけご飯を食べて見せたら、マジ気持ち悪がっていました。
中国での卵の買い方は、おもにスーパーです。
スーパーでもばら売り(量り売り)が多いのが特徴的です。1斤(500g)5元とか、そんな売り方です。中には割れているものや、汚物がへばりついている状態で売られています。いかにも雑菌だらけの感じです。もちろん日本と同じようにパックに入ったものも売られていますが、値段が安いのは、ばら売りの方なので、こちらの方が売れ行きがいいようです。
こういうネットに入ったものもよくみかけます。
では、なぜ中国の卵は生食がダメで、日本はOKなのでしょうか?
中国人も具体的にどんな菌がどんな悪さをするのか知っている人は少ないようです。
実は「サルモネラ菌」が犯人でした。サルモネラ菌による食中毒を防ぐために、日本の生産者の方々が苦労して管理しているそうです。
日本は、採卵鶏舎内から流通ルートまで、きっちり管理することで、我々は安心して「たまごかけご飯」を食べられているんですね。
ところが中国は、もともと生食の習慣が無いこともあって、そういう管理はされていません。中国の卵は内側も外側もサルモネラ菌を筆頭に、いろんな菌がたくさん入っているということなんです。
それでも、あ~、たまごかけご飯が食べた~い! と思っていたら、いつのまにか中国のスーパーでも、生食できる卵が売られるようになってました。
最初は外国人向けの高級スーパーで売られ始めました。価格も段違いに高く、10個入りで500円以上します。
それでも究極の日本食「たまごかけご飯」が食べたくて、よく買ったものです。
日本食を中心に、日本文化が中国にも浸透してきたあたりから、すき焼きを食べる中国人も増えてきました。あの美味しさが理解されてきたんですね。そこで必ず必要なのが生卵です。これなくして、すき焼きを美味しく食べることはできません。それは中国人もわかっています。
最初はかなり抵抗があったようですが、それなりの卵を使って食べれば問題ないことも体験でき、その後は躊躇なく食べられているようです。
最近では、中国人向けにもいろんな種類の生食用卵が売られるようになりました。
いろんな店ですき焼きが食べられるようになって、うれしいのですが、ちょっと気になることが・・・
すき焼きに付いてくる生卵、本当に生食用の管理された卵なのかな?
監視カメラ頼りの交通違反
中国では都市にもよりますが、交通違反の取り締まりを民間企業に委託しています。といっても、公安とはズブズブなので、民間なんだか国営なんだか微妙です。
この会社は、いろんな道路や交差点、横断歩道などにたくさんの監視カメラを設置してます。そもそも中国には、どこもかしこも監視カメラだらけなので、どのカメラがこの会社のものかよくわからない面もありますが、だいたい道路関連は交通違反取締用です。
ネズミ捕りのような面倒くさい取り締まりはあまりやりませんが、監視カメラによる交通違反は頻繁に綿密にチェックされます。
公安から委託されたこの会社は、交通違反を摘発することで、その運転手に科せられる罰金の半分を公安からいただくことができるのです。
残り半分が公安の罰金収入になります。
委託会社は、違反を摘発すればするほど、自社の収入が増えるので、監視カメラをそこいらじゅうに設置しまくって、血眼になって違反車両を見つけ出します。ちなみにこのカメラの設置費用・維持運営費用など、すべて委託会社の経費になります。
ということは、中国の公安は日本の警察と違って、全く何もしなくても、交通違反の罰金収入をガッツリいただけるという図式です。
委託会社は監視カメラから送られてくる画像を見て、違反車両を見つけると、その車のナンバーから持ち主に連絡が行きます。違反情報はスマホへ送られてきます。車を持っている人は自分の車の違反状況がいつでもわかるようになっています。いつ、どこで、どんな違反をして、罰金がいくらで、点数が何点引かれたとか・・・
そして年に一回、まとめて罰金を支払うのです。
もちろん不服を申し立てることもできますが、画像記録が残っているのでほぼほぼ受け入れられませんし、みなさん最初からそんな無駄な努力はしません。
ちなみに運転していたのが誰かは問題ではなく、違反した車の持ち主に責任が発生します。車の持ち主は車1台に3人まで運転手を登録でき、点数が引かれるのは、その3人のうちから車の持ち主が任意で決めます。以前は、よくこの点数がネットで売り買いされていました(1点=200元とか)が、今はできないように変更されました。
よくひっかかるのは、停止線オーバーや車線違反です。例えば、交差点直前の直線レーンから右折レーンに無理やり車線変更したり、左折レーンを直進したりしたら、一発です。
その理由は、画像を見て一番わかりやすいからです。
交差点に近づいて、自分の進みたい車線と違っていたら、絶対に車線変更をしないことです。
他に多いのは、信号無視や、横断歩道での歩行者妨害などです。
そのおかげで、カメラが設置されている横断歩道では、車が日本以上に親切に止まってくれます。逆に明らかにカメラが設定されていないとわかると、いつもの中国式運転マナーに変貌します。
今は人手で画像を見ながら摘発を行なっていますが、一部にはAI化も進めているという話もあります。運転している人間の顔も自動認識して、ビッグデータからどこの誰かまで割り出すことができるようになります。
そうなるとますます人手をかけずに大量に交通違反を摘発できるようになります。
こんな取り締まり方法は、日本では問題になるでしょうが、中国では権力のもと、ちゃんと交通ルールにのっとって取り締まりしているわけで、文句のつけようがありません。
最近は、不動産開発での地方政府の収入が激減しています。そんな中で、地方政府が頼りにするのが罰金収入です。今後もあの手この手でいろんな罰金が生まれてくるのではないかと・・・
病院の行列
日本の病院と、中国の病院で大きく違うのは、中国には大きな病院が多いことです。逆に日本の町医者のような、個人経営的な病院はほとんどありません。
個人経営の小さな病院が多いのは、世界の中でも、日本が突出しているそうです。
中国の大きな病院には、たくさんの医療従事者が中で働いており、日々多くの患者さんが訪れます。
普段からキャパオーバーを感じていましたが、それが、新型コロナのおかげで露呈してしまいました。
中国政府がなぜ「ゼロコロナ政策」にこだわるのか?
2020年初の武漢がそうであったように、いとも簡単に医療崩壊が起きてしまうからです。日本に比べて、圧倒的に医療従事者や病床の割合が少ないのです。
さらに、国産ワクチンの効果も低く、他国のwithコロナでは乗り切れない状況でした。
オミクロン以降は、感染力は高いものの重症化率が低いので、ここで180度方向転換して、コロナは風邪と同じ、全く無視してしまうという選択肢もアリだと思います。
しかし、それができないのが中国政府です。共産党は常に人民(医療従事者を含む)よりも上に位置しており、その指示は絶対であり、間違いはないのが前提だからです。
今までのゼロコロナ政策を転換する、なにかいい口実が見つからない限りは、続けざるを得ません。
ここでは、そんな中国の病院の混み具合を少しご紹介します。
まず、受付をするための行列です。
ここで登録してカルテを発行してもらわなければなりません。
金額は安いのですが、とにかく人が多くて、なかなか前に進みません。
自動受付機があっても、あまり効率的ではありません。
次に病状に応じて、外科とか内科とかに割り振られて、そこで順番を待ちます。そもそも人が多いので、椅子はあっても座れないことが多々あります。
順番に呼ばれて、やっとのことで診察室に入って医師に診てもらえると、そこで次の指示を受けます。
レントゲン撮影だったり、採血だったり、点滴だったりです。
その場所を探して自分で移動します。
病院は大きいのでたいへんです。
次の場所でも行列です。
レントゲンや採血だった場合、その場で待って結果をもらい、それをさっき診てくれた医師の部屋までもっていかなければなりません。
ここでたいへんな「割り込み」が発生するのです。
医師の部屋には、順番に呼ばれた患者がいます。次の患者は診察室の外で待っているならいいのですが、たいていは診察室の中にいます。その次の順番の患者も、その次も・・・
理由は、割り込ませないためです。
医者によっては、今診ている患者以外は外に出ろと言う医者もいますが、ほとんどは放置です。
そこにレントゲン写真を持って割り込んでいくのです。
遠慮していたら、永久に診てもらえません。
修羅場です。
ようやく割り込めたら、医師が病状を確認します。血液検査は、最近は医師のPCにデータが転送されます。しかし、レントゲンは未だに写真(ネガ)を持っていくケースが多いようです。
次に医師が薬を処方します。
その処方箋を持って、病院内の薬局を探して、そこに並びます。
これでようやく会計です。
朝8時から並んで、夕方6時までかかったりすることもあります。病気の人は、この行列と人ごみでかえって病気が悪化するケースもあります。
とにかく、医療受け入れ体制が、人口に対してバランスしていないのが原因です。
中国がゼロコロナ政策にこだわった原因が、ここにあるのです。
山頭火ラーメン
ラーメン好きの方は、北海道旭川の「らーめん山頭火」をご存じだと思います。
旭川の駅前にあります。
私はここのラーメンが大好きです。
山頭火は、国内外にたくさん支店があります。
ホームページを見ると、海外ではアメリカ、カナダ、香港、台湾、シンガポール、マレーシア、フィリピン、タイに支店があると書いてあります。
しかし、中国大陸には一つもありません。
ところが、中国で見つけました!
ん? ちょっとおかしい???
「山頭火」じゃなくて「火頭山」??? かとーさん???
しかし、漢字のフォントは全くよく似ていました。
順番がちがうだけです。
ただ、ラーメンというのが、日本では「らーめん」とひらがなになっています。しかも右から読みます。
でもまあ、店構えも内装もしっかりしているし、ここは高級ショッピングモールの中です。
美味しいラーメンが食べられるのなら・・・と、入ってみることに。
とりあえず、何品か注文してみました。
本家とはかなり味がかけ離れていますが、これはこれでわりと美味しくいただけます。
値段は40元前後。日本円で800円くらいです。それほど安くはないですが、もともと、このへんでまともなラーメンを食べられる店はほとんどなかったので、ちょうどいいかなと思いました。
中国版「ぐるなび」の「大衆点評」にも掲載されていました。
しかし、残念ながら、この店はしばらくして閉店してしまいました。
日本をパクったお店は、中国で次々に出てきますが、山頭火の店名を使っても、それを知って入店するお客さんが何人いるのでしょうか?
客寄せのためではなく、きっとお手本があると店を出すときにコピーするだけでいいので、やりやすかったんでしょう。
こういうことに、彼らは罪悪感をもっていません。
本人たちに悪気が無いのです。そういう文化なんですね。
ラーメンと餃子とチャーハン
ラーメン+餃子+チャーハンセットは、日本人にとって最もなじみ深い中華3点セットです。
私は、この3つのどれも大好きです。私にとっては黄金の3点セットです。
黄金の3料理がそろったセットは、私に限りなく幸福感と満足感を与えてくれます。
ところが、中国人と中華料理を食べに行くといろんな中華料理を注文するのですが、その中には、この黄金の3品がすべて入っていることはまずありません。
こんなに品数があっても、あとでせいぜい白ご飯か、味気ない麺が出てくる程度です。
彼らにお任せしてると、自分の食べたいものが食べられないので、一度自分でオーダーさせてもらいました。
もちろん、ラーメンと餃子とチャーハンです。どれもメニューにはありました。(ただし餃子は水餃子)
すると、その中国人からは「お前、アホか!」と言われました。「何で同じ種類の料理を3つも頼むんだ?」そんな馬鹿な事やめとけといった感じで笑われました。
この黄金の3点セットは、中国ではありえない注文の仕方だったのです。
中国では、前菜、スープ、野菜、肉、魚、豆腐などの料理を一通り食べるときに、白いご飯を一緒に食べるか、あとで麺かチャーハンを追加するのが普通の食べ方です。
人数が少なかったり、家庭ではそんなにたくさん食べられないので多少品数が減りますが、例の3点セットがそろうことはありません。
さらに、日本人が大好きな焼き餃子はメジャーではないのです。蒸したものか、水餃子がよく食べられます。餃子専門店に行っても、焼き餃子がなくてがっかりしたことがあります。
3点セットは、中華料理ではごはんと同じに分類にされるので、一回の食事では、この中から一つを選ぶのが普通なのです。
関東の人が、お好み焼きとご飯を一緒に食べないのと同じような感覚なのかもしれません。
ちなみに焼き餃子はもともと余った水餃子を、召使などが翌日に自分たちが食べやすいように焼いたのが始まりだともいわれています。なので、焼き餃子は卑しい下流の食事というイメージを持っている人もいます。
しかし、最近は、日本料理屋もたくさんできて、そこで美味しいラーメン(中国のラーメンは美味しくない)が味わえるようになりました。その時一緒に食べる焼き餃子が意外に合うということが分かってきたのか、さらに半チャーハンも加えて、今では黄金の3点セットを食べる中国人も少しずつ増えてきました。
中国のフィットネスジム
ある程度以上の収入のある中国人たちは健康志向が強く、フィットネスセンターもここ10年程度でかなり増えました。
設備投資の金額に糸目をつけない人たちなので、最新のマシンが、広い空間にきれいに配置されています。
筋トレする若い女性が多いのにも驚きます。
皆さん、よく自撮りして、微信(WeChat)や抖音(TikToc)にアップしています。
彼女たちは、お尻から太もものラインを綺麗にするためのトレーニングを主にやっていました。
私は、中国駐在期間中、引っ越しに合わせて合計4ヶ所のフィットネスジムに通った経験があります。最初と最後のジムは住居に無料で付帯していたジムなので、使用する人は住人のみ、外国人がほとんどでした。いつも空いていて、貸し切り状態で利用していました。ホテルにあるジムと同様、トレーナーなどはおらず、受付があるだけで、自由にマシンもフリーウェイとも利用できました。
他の2か所は、誰でもお金を払えば入れる会費制のジムでした。こちらの方が広くて、マシンの数も多く、25mプールまで完備されていました。
もちろん、ヨガやエアロ、ズンバ、パンプ、コンバット、コアトレ、ジャズダンスなどのレッスンプログラムも充実しています。(年会費に含まれているため参加無料)
入口は顔認証、ロッカーは自分の携帯電話番号で開閉管理されているけっこうハイテクなジムでした。
年会費は1000元~2000元(2~4万円)と、日本よりは安めだと思います。
ただこの年会費がくせ者でした。ジムにはたいてい営業担当がおり、よく街でビラを配ったりして客引きをしています。そして、年会費はその時々、あるいは人によって価格が変わるのです。要は、ここでも値引き交渉が通用する世界でした。
2年契約すると1.5年分の年会費でいいよとか、明日までに振り込めば2割引きにするよとか、あの手この手で、あなただけ特別に安くしますという提案をしてきます。
私は、最初、かなり値切って、年間2000元のところを半額の1000元で契約しました。
しかし、その後、会社の後輩が契約した金額が600元でした。
ショックでした。
平日の夜以外は、ガラガラに空いていたので、土日の昼に利用していた私は、だいたい独占状態でした。これだけが取り柄です。
ここにはトレーナーがいて、彼らは個人レッスンで収入を得ています。
1時間200元~400元くらいでした。日本円で4~8000円くらいです。結構高いです。私は無料体験があったので、一度だけやったことがありますが、価値を見出せませんでした。
ホテルからマンションに引っ越したため、建物の下にあるジムを契約しました。
さらに大きくて立派なジムでした。
年会費も高いです。
1年で約4000元(8万円)です。
もちろんこれは見せかけの定価なので、ここから値引きが始まります。ここは確か2年契約すれば2000元(1年あたり1000元)になったと記憶しています。
レッスンプログラムもそこそこあります。
問題は、ここのトレーナーたちです。
肩書は、みなさん立派なのですが・・・
彼らの営業活動がすさまじいです。トレーニングしていると勝手に話しかけてきて、指導を始めます。そして名前を聞いたり、身長や年齢を聞いてメモをしたりして、個人レッスンのおススメをしてきます。断っても、また次の日、次の日と・・・1週間くらい続きました。それを経て、ようやくまとわりつかなくなりました。
私は昼間に行くことが多かったので、お客さんはいつも2~3人しかいません。
ジムは午前10時からですが、トレーナーたちはだいたい11時か12時前に出勤してきます。お客さんも少ないので、個人レッスンの予約が無ければ、することもないのです。
出勤した彼らの一部は、自分でトレーニングを始めます。
それ以外の人は、休憩コーナーで飲み物を飲みながらスマホを見ています。
個人レッスンをする見込みのない私のような客には挨拶もしません。石ころと同じ存在です。それはそれで気が楽でいいのですが。
問題は、私がしたいマシンやベンチに居座って、言わないとどかないのです。使ったダンベルをもとに戻すこともしません。戻したとしても、重さごとに順番に並べないのです。適当に置くため、あとで探すのがたいへんです。
マシンのそばのTVをつけて、何人かでバスケットボール中継に歓声をあげたりもしていました。
スマホの音を大きくして音楽を聴きながらトレーニングしてることもありました。せめてイヤホンしてほしいです。
挙句の果てに、トレーニング用のボールでサッカーを始めたこともありました。
口笛を吹いたり、歌を歌いながら、ジムの中を闊歩します。
土日には、家族を連れてきて子供と遊んでいるトレーナーもいました。
おまけに、お客さんが使うロッカーやシャワーをトレーナーたちも使うのです。しかも仲間同士でワイワイガヤガヤ、中学生のノリで騒ぎながら使われるので、驚きます。
これが中国のフィットネスクラブの実情です。
最初は、頭にきたこともありましたが、実は、彼らは悪気はないのです。これが中国のスタンダードなのです。そんな自由な行動をとがめるお客さんはいません。
彼らに日本のような接客を指導教育する人はいません。家庭や学校で日本のような礼儀作法を教えてもらう環境もないのです。
しばらくして、日本に帰ってきて、日本のフィットネスクラブに行くと、なんと皆さん礼儀正しいことか!
使った後は、お客さんもマシンやウェイトをちゃんともとに戻してきれいに拭くし、トレーナーの皆さんも、時間が空いているときは、すぐに掃除をします。美しいですね!
そんな日本のジムでトレーニングしながら、中国の自由奔放なジムも、アリかな~?と思うこともあったりします。
子供のトイレ事情
中国へは最初は出張ベースでした。
上海、浦東地区の一応5つ星ホテルにチェックイン。しかし、その周りには、ほとんどお店がありません。
唯一あったのが、ヤオハン(八佰伴)デパートでした。そのころはまだ日本資本でした。開発途上の浦東にひときわ大きく輝いていた壮大な建物でした。
周りの景色からは完全に浮いていましたが、きれいで、清潔な印象です。日本人がホッと一息つける、そんな空間でした。
その大きな吹き抜けの玄関は、日本でもあまり見たことがない豪華絢爛なイメージです。
もちろん人気で、毎日お客さんが押し寄せ、入口のエスカレーター前は押し合いになるくらいに混んでいました。
そんな美しくも壮大なヤオハンの入口ロビーの真ん中あたりで、お母さんが1~2歳くらいの小さな子供を抱いたまま、私の目の前で突然かがんだのです。
そして、その次の瞬間、その子は「オシッコ」を放出したのでした。季節は冬で、子供は暖かそうな服をしっかり着込んでいたので、まさかそんな離れ業ができるとは・・・しかもお客さんがたくさんいるヤオハンのロビーで!
その時初めて知りました。子供の服は、股割れになっていたのです。
さらに驚いたのは、他のお客さんたちはそれを見て見ぬふり。
店員も見て見ぬふり。
誰もその母親をとがめる人はいません。
そして小さな水たまりを掃除する人もなく、皆さん少しよけながら歩いていました。
そうなんです。
中国の小さな子供は股割れ子供服でそこいらじゅうに放尿するのです。
当時、中国人のそんな習慣を知らなかった私は、愕然と立ち尽くしたのを覚えています。
その後、いろいろな場所で、この光景を見ましたが、だんだん気にならなくなった自分・・・
最近都会ではトイレもたくさんあり、そういう行為も減ってきました。
しかし、今でもちょっと地方に行けば、簡単に見ることができます。
股割れズボンは、今でも、通販最大手の淘宝などで売られています。