中国あるある

中国での20年間は、驚きの毎日でした

中国で究極の日本食「卵かけご飯」

「たまごかけご飯」、とってもシンプルなのに、どうしてこんなに美味しいのでしょうか? 

小さいころ、好き嫌いが多かった私の数少ない好物が、この「たまごかけご飯」でした。なぜかこの言葉の響きに親しみというか郷愁さえ感じます。

ところが、中国に駐在していた初期のころ、この好物を食べられない日々が続いたのでした。禁断症状が出そうになったほどです。たまの一時帰国で食べる自宅でのたまごかけご飯の美味いことと言ったら、言葉であらわしようがありません。

 

中国では、卵を生では食べません。別に法律で決められているわけではなく、身体に悪いからという理由です。今でも生で食べる中国人は少数派です。

なぜ中国人は生卵を食べないのか中国人に聞くと、熱を入れて殺菌する必要があるからだと答えてくれました。実はそれだけではなく、生卵に慣れてないこともあります。そのドロッとした見た目と、ヌルッとした触感が、すごく気持ち悪いらしいです。こんなものを食べる人の気が知れないとも言っていました。一度、目の前でたまごかけご飯を食べて見せたら、マジ気持ち悪がっていました。

 

中国での卵の買い方は、おもにスーパーです。

スーパーでもばら売り(量り売り)が多いのが特徴的です。1斤(500g)5元とか、そんな売り方です。中には割れているものや、汚物がへばりついている状態で売られています。いかにも雑菌だらけの感じです。もちろん日本と同じようにパックに入ったものも売られていますが、値段が安いのは、ばら売りの方なので、こちらの方が売れ行きがいいようです。

 

 

こういうネットに入ったものもよくみかけます。

 

では、なぜ中国の卵は生食がダメで、日本はOKなのでしょうか?

中国人も具体的にどんな菌がどんな悪さをするのか知っている人は少ないようです。

実は「サルモネラ菌」が犯人でした。サルモネラ菌による食中毒を防ぐために、日本の生産者の方々が苦労して管理しているそうです。

農林水産省 消費・安全局「鶏卵の生産衛生管理ハンドブック」より

日本は、採卵鶏舎内から流通ルートまで、きっちり管理することで、我々は安心して「たまごかけご飯」を食べられているんですね。

ところが中国は、もともと生食の習慣が無いこともあって、そういう管理はされていません。中国の卵は内側も外側もサルモネラ菌を筆頭に、いろんな菌がたくさん入っているということなんです。

 

それでも、あ~、たまごかけご飯が食べた~い! と思っていたら、いつのまにか中国のスーパーでも、生食できる卵が売られるようになってました。

最初は外国人向けの高級スーパーで売られ始めました。価格も段違いに高く、10個入りで500円以上します。

それでも究極の日本食「たまごかけご飯」が食べたくて、よく買ったものです。

日本食を中心に、日本文化が中国にも浸透してきたあたりから、すき焼きを食べる中国人も増えてきました。あの美味しさが理解されてきたんですね。そこで必ず必要なのが生卵です。これなくして、すき焼きを美味しく食べることはできません。それは中国人もわかっています。

最初はかなり抵抗があったようですが、それなりの卵を使って食べれば問題ないことも体験でき、その後は躊躇なく食べられているようです。

最近では、中国人向けにもいろんな種類の生食用卵が売られるようになりました。

 

いろんな店ですき焼きが食べられるようになって、うれしいのですが、ちょっと気になることが・・・

すき焼きに付いてくる生卵、本当に生食用の管理された卵なのかな?