中国あるある

中国での20年間は、驚きの毎日でした

中国のフィットネスジム

ある程度以上の収入のある中国人たちは健康志向が強く、フィットネスセンターもここ10年程度でかなり増えました。

設備投資の金額に糸目をつけない人たちなので、最新のマシンが、広い空間にきれいに配置されています。

 

筋トレする若い女性が多いのにも驚きます。

皆さん、よく自撮りして、微信(WeChat)や抖音(TikToc)にアップしています。

彼女たちは、お尻から太もものラインを綺麗にするためのトレーニングを主にやっていました。

 

私は、中国駐在期間中、引っ越しに合わせて合計4ヶ所のフィットネスジムに通った経験があります。最初と最後のジムは住居に無料で付帯していたジムなので、使用する人は住人のみ、外国人がほとんどでした。いつも空いていて、貸し切り状態で利用していました。ホテルにあるジムと同様、トレーナーなどはおらず、受付があるだけで、自由にマシンもフリーウェイとも利用できました。

他の2か所は、誰でもお金を払えば入れる会費制のジムでした。こちらの方が広くて、マシンの数も多く、25mプールまで完備されていました。

もちろん、ヨガやエアロ、ズンバ、パンプ、コンバット、コアトレ、ジャズダンスなどのレッスンプログラムも充実しています。(年会費に含まれているため参加無料)

入口は顔認証、ロッカーは自分の携帯電話番号で開閉管理されているけっこうハイテクなジムでした。

年会費は1000元~2000元(2~4万円)と、日本よりは安めだと思います。

ただこの年会費がくせ者でした。ジムにはたいてい営業担当がおり、よく街でビラを配ったりして客引きをしています。そして、年会費はその時々、あるいは人によって価格が変わるのです。要は、ここでも値引き交渉が通用する世界でした。

2年契約すると1.5年分の年会費でいいよとか、明日までに振り込めば2割引きにするよとか、あの手この手で、あなただけ特別に安くしますという提案をしてきます。

私は、最初、かなり値切って、年間2000元のところを半額の1000元で契約しました。

しかし、その後、会社の後輩が契約した金額が600元でした。

ショックでした。

平日の夜以外は、ガラガラに空いていたので、土日の昼に利用していた私は、だいたい独占状態でした。これだけが取り柄です。

ここにはトレーナーがいて、彼らは個人レッスンで収入を得ています。

1時間200元~400元くらいでした。日本円で4~8000円くらいです。結構高いです。私は無料体験があったので、一度だけやったことがありますが、価値を見出せませんでした。

 

ホテルからマンションに引っ越したため、建物の下にあるジムを契約しました。

さらに大きくて立派なジムでした。

年会費も高いです。

年会費

1年で約4000元(8万円)です。

もちろんこれは見せかけの定価なので、ここから値引きが始まります。ここは確か2年契約すれば2000元(1年あたり1000元)になったと記憶しています。

レッスンプログラム

レッスンプログラムもそこそこあります。

 

問題は、ここのトレーナーたちです。

トレーナー

肩書は、みなさん立派なのですが・・・

彼らの営業活動がすさまじいです。トレーニングしていると勝手に話しかけてきて、指導を始めます。そして名前を聞いたり、身長や年齢を聞いてメモをしたりして、個人レッスンのおススメをしてきます。断っても、また次の日、次の日と・・・1週間くらい続きました。それを経て、ようやくまとわりつかなくなりました。

私は昼間に行くことが多かったので、お客さんはいつも2~3人しかいません。

ジムは午前10時からですが、トレーナーたちはだいたい11時か12時前に出勤してきます。お客さんも少ないので、個人レッスンの予約が無ければ、することもないのです。

出勤した彼らの一部は、自分でトレーニングを始めます。

それ以外の人は、休憩コーナーで飲み物を飲みながらスマホを見ています。

個人レッスンをする見込みのない私のような客には挨拶もしません。石ころと同じ存在です。それはそれで気が楽でいいのですが。

問題は、私がしたいマシンやベンチに居座って、言わないとどかないのです。使ったダンベルをもとに戻すこともしません。戻したとしても、重さごとに順番に並べないのです。適当に置くため、あとで探すのがたいへんです。

マシンのそばのTVをつけて、何人かでバスケットボール中継に歓声をあげたりもしていました。

スマホの音を大きくして音楽を聴きながらトレーニングしてることもありました。せめてイヤホンしてほしいです。

挙句の果てに、トレーニング用のボールでサッカーを始めたこともありました。

口笛を吹いたり、歌を歌いながら、ジムの中を闊歩します。

土日には、家族を連れてきて子供と遊んでいるトレーナーもいました。

おまけに、お客さんが使うロッカーやシャワーをトレーナーたちも使うのです。しかも仲間同士でワイワイガヤガヤ、中学生のノリで騒ぎながら使われるので、驚きます。

これが中国のフィットネスクラブの実情です。

 

最初は、頭にきたこともありましたが、実は、彼らは悪気はないのです。これが中国のスタンダードなのです。そんな自由な行動をとがめるお客さんはいません。

彼らに日本のような接客を指導教育する人はいません。家庭や学校で日本のような礼儀作法を教えてもらう環境もないのです。

 

しばらくして、日本に帰ってきて、日本のフィットネスクラブに行くと、なんと皆さん礼儀正しいことか!

使った後は、お客さんもマシンやウェイトをちゃんともとに戻してきれいに拭くし、トレーナーの皆さんも、時間が空いているときは、すぐに掃除をします。美しいですね!

そんな日本のジムでトレーニングしながら、中国の自由奔放なジムも、アリかな~?と思うこともあったりします。