中国あるある

中国での20年間は、驚きの毎日でした

病院の行列

日本の病院と、中国の病院で大きく違うのは、中国には大きな病院が多いことです。逆に日本の町医者のような、個人経営的な病院はほとんどありません。

個人経営の小さな病院が多いのは、世界の中でも、日本が突出しているそうです。

中国の大きな病院には、たくさんの医療従事者が中で働いており、日々多くの患者さんが訪れます。

普段からキャパオーバーを感じていましたが、それが、新型コロナのおかげで露呈してしまいました。

 

中国政府がなぜ「ゼロコロナ政策」にこだわるのか?

2020年初の武漢がそうであったように、いとも簡単に医療崩壊が起きてしまうからです。日本に比べて、圧倒的に医療従事者や病床の割合が少ないのです。

さらに、国産ワクチンの効果も低く、他国のwithコロナでは乗り切れない状況でした。

オミクロン以降は、感染力は高いものの重症化率が低いので、ここで180度方向転換して、コロナは風邪と同じ、全く無視してしまうという選択肢もアリだと思います。

しかし、それができないのが中国政府です。共産党は常に人民(医療従事者を含む)よりも上に位置しており、その指示は絶対であり、間違いはないのが前提だからです。

今までのゼロコロナ政策を転換する、なにかいい口実が見つからない限りは、続けざるを得ません。

 

ここでは、そんな中国の病院の混み具合を少しご紹介します。

まず、受付をするための行列です。

ここで登録してカルテを発行してもらわなければなりません。

金額は安いのですが、とにかく人が多くて、なかなか前に進みません。

自動受付機があっても、あまり効率的ではありません。

次に病状に応じて、外科とか内科とかに割り振られて、そこで順番を待ちます。そもそも人が多いので、椅子はあっても座れないことが多々あります。

 

順番に呼ばれて、やっとのことで診察室に入って医師に診てもらえると、そこで次の指示を受けます。

レントゲン撮影だったり、採血だったり、点滴だったりです。

その場所を探して自分で移動します。

病院は大きいのでたいへんです。

次の場所でも行列です。

 

レントゲンや採血だった場合、その場で待って結果をもらい、それをさっき診てくれた医師の部屋までもっていかなければなりません。

ここでたいへんな「割り込み」が発生するのです。

医師の部屋には、順番に呼ばれた患者がいます。次の患者は診察室の外で待っているならいいのですが、たいていは診察室の中にいます。その次の順番の患者も、その次も・・・

理由は、割り込ませないためです。

医者によっては、今診ている患者以外は外に出ろと言う医者もいますが、ほとんどは放置です。

そこにレントゲン写真を持って割り込んでいくのです。

遠慮していたら、永久に診てもらえません。

修羅場です。

ようやく割り込めたら、医師が病状を確認します。血液検査は、最近は医師のPCにデータが転送されます。しかし、レントゲンは未だに写真(ネガ)を持っていくケースが多いようです。

 

次に医師が薬を処方します。

その処方箋を持って、病院内の薬局を探して、そこに並びます。

 

これでようやく会計です。

 

朝8時から並んで、夕方6時までかかったりすることもあります。病気の人は、この行列と人ごみでかえって病気が悪化するケースもあります。

とにかく、医療受け入れ体制が、人口に対してバランスしていないのが原因です。

中国がゼロコロナ政策にこだわった原因が、ここにあるのです。